お知らせ

2022.12.06論文

卒業生の荒井くん、小久保さん、M2唐くんの研究がJ ImmunoTher Cancer (IF 12.469)にアクセプトされました!おめでとうございます!

卒業生の荒井くん、小久保さん、M2唐くんの研究がJ ImmunoTher Cancer (IF 12.469)にアクセプトされました!おめでとうございます!


Tumor-associated neutrophils and macrophages exacerbate anti-drug IgG-mediated anaphylactic reaction against an immune checkpoint inhibitor

Takahiro Arai, Tomomi Kokubo, Ruiheng Tang, Hirohito Abo, Ayu Terui, Jotaro Hirakawa, Hidetaka Akita, Hiroto Kawashima, Akihiro Hisaka, Hiroto Hatakeyama

Journal for ImmunoTherapy of Cancer, 10:e005657 (2022)

https://jitc.bmj.com/content/10/12/e005657


担癌マウスに抗PD-L1抗体を投与直後にマウスが死亡する例が観られました。死因が抗PD-L1抗体に対するアナフィラキシーであることをつきとめ、以下のことを明らかとしました。
  1. 古典的なIgEを介したアナフィラキシーではなくIgGが関与すること
  2. がん病態で増加する好中球やマクロファージがIgG経路に応答してケミカルメディエーターとして血小板活性化因子(PAF)を放出してアナフィラキシーが引き起こされること
  3. アナフィラキシーの第一選択薬であるエピネフリンではレスキューできず、PAF受容体阻害剤で症状が改善すること

アナフィラキシーの発症頻度は決して高いわけではありませんが、一度発症すると致死的な場合が多く、またヒトにおける発症メカニズムの解明は進んでいません。アナフィラキシーは免疫チェックポイント阻害剤の投与による過剰な免疫活性化が原因となる自己免疫疾患様のいわゆる免疫関連有害事象(irAE)とは異なるメカニズムと考えられます。本知見が臨床での副作用マジメントやメカニズム解明の一助になればと思います。